※本記事は、以下の国際論文に基づき、松本デンタルオフィス東京での臨床経験を踏まえて作成した記事です。
参考論文
Salama M, Ishikawa T, Salama H, Funato A, Garber D.
Advantages of the Root Submergence Technique for Pontic Site Development in Esthetic Implant Therapy.
Int J Periodontics Restorative Dent. 2007;27(6):521–527.
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当院がRSTを活用する理由
当院・松本デンタルオフィス東京では、ただ歯を「埋める」だけではなく、周囲の歯ぐきや骨の美しさまで考えたインプラント治療を目指しています。その一つのアプローチとして、近年注目されている「ルートサブマージテクニック(Root Submergence Technique/RST)」を積極的に取り入れています。
RSTとは、むし歯や歯周病などで歯の保存が難しい場合でも、歯根(歯の根っこ)をあえて残して歯ぐきの下に埋め込む技術です。この技術を使うことで、抜歯による骨の吸収を防ぎ、歯ぐきの形や高さを自然な状態で維持することができます。
Salamaら(2007年)の論文では、前歯部などの見た目が重要なエリアにおいて、RSTが高い審美性を保つのに有効であることが示されています。とくに、複数歯欠損のケースでは、隣り合うインプラント同士では歯ぐき(歯間乳頭)の再建が難しく、インプラントと天然歯(または残した歯根)を組み合わせる方が、見た目・機能ともに理想的であると報告されています。
当院ではこの考えをふまえ、美しい見た目が求められる前歯の治療や、複数本にわたるインプラント治療を行う際に、RSTの適応を慎重に検討しています。
たとえば以下のようなケースでは、RSTが大きな効果を発揮します:
- ・前歯のブリッジ治療で歯ぐきの退縮が気になる
- ・隣り合う歯を複数本失ってしまった
- ・インプラント後の歯ぐきのラインを自然に仕上げたい
RSTを行う上での当院の工夫
RSTは高度な技術を要する処置であり、解剖学的知識・外科手技・審美センスが求められます。当院では以下のような取り組みにより、安全かつ高精度なRSTを実現しています。
- ・歯科用CTによる骨と歯根の精密診断
- ・必要に応じて矯正治療(挺出)を併用し骨・歯ぐきの高さを確保
- ・技工士と連携した補綴設計
- ・静脈内鎮静法による痛みと不安の軽減
また、RST処置後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントと残した歯根の健康状態を長期的にサポートいたします。
まとめ
歯を失った場所にインプラントを入れるだけでは、必ずしも自然で美しい見た目が得られるとは限りません。当院では、最新の論文知見をふまえて、骨・歯ぐき・人工歯すべてにおいて「本物らしさ」を追求しています。
特に見た目の重要な前歯においては、RSTを取り入れることで、自然な歯ぐきのラインを保ち、周囲の歯との調和のとれた審美性を実現しています。
もし過去に「インプラントは難しい」と言われた方も、RSTなどの治療選択肢により可能になるケースもあります。まずはお気軽にご相談ください。
『 東京審美インプラント治療ガイド 』
監修:松本デンタルオフィス東京
所在地:東京都東大和市清原4丁目10−27 M‐ONEビル 2F
電話:042-569-8127
*監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス
院長 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
*所属学会
・日本補綴歯科学会
・日本口腔インプラント学会
・日本歯科審美学会
・日本顎咬合学会
*スタディグループ
・5-D Japan
・Esthetic Explores
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