コラム

2025.10.03

オールオンフォーやオールオンシックスと普通のインプラントの違い

目次

1. 「オールオンフォー」って何?通常のインプラントとの大きな違い

・4本で全ての歯を支える最新のインプラント治療

「オールオンフォー(All-on-4)」とは、上下いずれかの顎にわずか4本のインプラントを埋め込み、その上に12本相当の人工歯列を固定する治療法です。
従来のインプラントは、失った歯1本につき1本のインプラントを埋入するのが基本でした。そのため、多くの歯を失った場合には10本以上の手術が必要となり、治療期間も費用も大きな負担となっていました。
一方でオールオンフォーは、後方のインプラントを斜め(傾斜)に埋め込む特殊技術によって、限られた骨量でも広い範囲の人工歯をしっかり支えることが可能です。
この構造により、骨移植や骨造成を避けられるケースが増え、全顎的なインプラント治療がより現実的な選択肢になりました。
つまり、「多くの歯を失った方でも、少数本で噛む力と見た目を取り戻せる」――それがオールオンフォーの最大の特徴です。

・手術当日に仮歯を装着できる即日性

オールオンフォーのもう一つの大きな違いは、手術当日に仮歯を固定できる点です。
これを「即時荷重インプラント」と呼び、従来のように「骨と結合するまで数ヶ月待つ」期間がありません。
患者様は手術当日から仮歯で会話や食事ができるようになり、審美面・機能面の両方を早期に回復できます。
この技術は、CT画像やデジタルシミュレーションによる精密な術前設計があるからこそ実現可能であり、経験豊富な歯科医師のもとで行うことで高い安全性を保ちます。
「手術を受けたその日から噛める」というのは、従来のインプラントでは得られなかった画期的なメリットです。
長い治療期間に不安を感じていた方や、仕事を休めない方にも、非常に魅力的な選択肢といえます。

・従来型インプラントとの違いを整理

通常のインプラントでは、1本ずつ歯を再建するため、天然歯とほぼ同じ感覚で使用できますが、多数歯欠損の場合は外科的負担が大きくなります。
対してオールオンフォーは、「少数本で全体を支える構造」のため、手術の回数・通院期間・治療費の総額を抑えられるのが特徴です。
また、固定式のため入れ歯のように外す必要がなく、噛む力や見た目の自然さも優れています。
一方で、全顎一体型の補綴物を支えるため、日々のメンテナンスと定期検診は欠かせません。
歯が1本だけ欠けたケースでは従来型インプラント、全体的に歯を失った方にはオールオンフォーやオールオンシックス、といったように、患者様の口腔状態によって最適な方法が異なります
どちらが良い・悪いではなく、目的と条件に合わせて「どのインプラントがあなたに合うか」を見極めることが大切です。

オールオンフォーは、失った歯を短期間で取り戻したい方、総入れ歯に抵抗がある方、骨量が少なくてもインプラントを希望する方にとって、新しい可能性を開く治療法です。
「もう噛めない」「入れ歯しか無理」と諦めていた方でも、専門の歯科医院で相談することで、希望のあるプランが見つかるかもしれません。

2. 「オールオンシックス」との違いは?骨の状態による使い分け

・オールオンフォーとオールオンシックスの基本的な違い

オールオンフォー(All-on-4)とオールオンシックス(All-on-6)は、いずれも少数のインプラントで全顎の人工歯を支える治療法です。
両者の大きな違いは、名前の通り埋め込むインプラントの本数にあります。オールオンフォーは4本、オールオンシックスは6本のインプラントを使用します。
どちらも傾斜埋入(後方のインプラントを斜めに埋める技術)を用いる点は共通しており、骨が薄い方でも対応可能です。
ただし、上顎の骨は下顎に比べて柔らかく強度が低いため、より安定性を確保する目的で6本のインプラントを採用するケースがあります。
そのため、オールオンフォーは主に下顎や骨量が十分にある方に、オールオンシックスは上顎や噛む力が強い方に選ばれる傾向があります。
つまり、本数の違いは「どちらが優れているか」ではなく、骨の状態や噛み合わせの力に応じた最適化の結果なのです。

・骨の厚み・密度が選択のポイント

オールオンシックスを選ぶ理由のひとつが、骨の質に関係しています。
インプラントは骨としっかり結合することで安定しますが、上顎の骨はスポンジのように柔らかく、下顎よりも密度が低いのが一般的です。
そのため、4本よりも6本に増やして支えを分散させることで、長期的な安定性を確保できます。
また、強い噛みしめや歯ぎしりの癖がある方、咬合圧が高い方も、インプラントを6本にすることで破損や緩みのリスクを軽減できます。
一方で、骨量が十分にあり、顎の形状が安定している方であれば、4本でも十分に機能する場合があります。
このように、オールオンフォーとオールオンシックスは「治療法が違う」というよりも、患者様の骨質・咬合力・顎形態に合わせて最適な設計を選ぶ治療と言えます。
治療前にCTによる三次元診断を行い、骨の厚み・角度・神経の位置まで正確に把握することが成功の鍵となります。

・安全性・費用・審美性のバランスを考えて選ぶ

オールオンフォーとオールオンシックスでは、埋め込む本数が異なるため、費用にも違いがあります。
一般的には、オールオンフォーの方が少ない本数で済む分、費用負担は軽く、治療時間や外科的リスクも抑えられます。
一方、オールオンシックスは本数が多い分、手術時間や費用はやや増えますが、その分だけ咬合力の分散・長期的な安定性・補綴物の耐久性が向上します。
どちらも見た目の自然さは変わらず、セラミックやジルコニアなどの上部構造を用いることで、天然歯のような透明感と艶のある仕上がりが得られます。
最終的な選択は、CT検査による骨の評価と、患者様の希望する「見た目・耐久性・費用」のバランスで決定します。
経験豊富なインプラント専門医は、単に「4本か6本か」を選ぶのではなく、顎の状態や力の方向、歯列全体のバランスを考慮して最適なプランを提案します。

オールオンフォーもオールオンシックスも、「多くの歯を失った方が再び自分の歯のように噛めるようになる」ことを目的としています。
骨の状態や生活スタイルに合わせて最適な方法を選ぶことが、長く快適に使えるインプラント治療への第一歩です。

3. 通常のインプラントとの構造的な違い

・1本ずつ埋める従来型インプラントとの比較

従来のインプラント治療では、失った歯の本数に応じて1本ずつインプラントを埋め込むのが一般的です。
たとえば、奥歯を2本失った場合には2本のインプラントを、すべての歯を失った場合には10本以上のインプラントが必要となることもあります。
この方法は、「1本の歯を独立して再建する」という点で非常に自然な仕上がりを得られる反面、手術回数や治療期間が長く、費用も高額になりやすいのが現実です。
一方で、オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)は、少数のインプラントで全顎を支える仕組みを採用しています。
後方のインプラントを斜め(傾斜埋入)に配置することで、顎の骨を広く利用し、骨移植を行わずに固定力を得られる点が大きな特徴です。
つまり、「1本ずつ支える」従来型に対して、「4〜6本で全体を支える」全顎固定型がオールオンシリーズの構造的な特徴といえます。

・人工歯の構造と支え方の違い

通常のインプラントでは、1本ずつ独立した上部構造(クラウン)が装着されるため、歯と歯の間にわずかなすき間があります。
それに対して、オールオンフォーやオールオンシックスは、12本程度の人工歯を一体型の補綴物(ブリッジ)として固定するのが特徴です。
この構造により、咬合力(噛む力)が分散され、負担が4〜6本のインプラント全体に均等にかかるよう設計されています。
また、人工歯の素材もセラミックやジルコニアなどが用いられ、見た目が自然で、清掃性や耐久性にも優れています。
固定式のため入れ歯のような着脱は不要で、使用感は自分の歯に非常に近いものになります。
ただし、一体型であるため、部分的な修理ではなく全体の調整や再作製が必要になることもあり、定期的なチェックが欠かせません。
それでも、安定した噛み心地と美しい見た目を長期間維持できるという点で、多くの患者様がこの構造を選択しています。

・手術の工程・期間・リスクの違い

構造の違いは、手術の進め方にも大きく影響します。
通常のインプラントでは、1本ずつ埋めるため、全顎にわたる場合は数回に分けて手術を行うケースが多く、治療完了まで半年〜1年以上かかることもあります。
一方、オールオンフォーやオールオンシックスでは、1回の手術で4〜6本を同時に埋入し、当日に仮歯を装着することができます。
これにより、患者様の通院回数・治療期間・外科的負担を大幅に軽減できます。
また、インプラントを斜めに配置することで骨量の少ない部分を避け、神経や上顎洞へのリスクも低減されます。
ただし、この角度や位置の設計には高い技術が求められるため、CT解析やデジタルガイドを用いた精密なプランニングが重要です。
経験豊富な医師のもとで治療を行うことで、従来型に劣らない長期的な安定性と安全性を実現できます。

このように、オールオンフォー/オールオンシックスは、単なる“インプラントの簡略版”ではなく、骨や噛み合わせの状態に合わせて全体を再建するための合理的な治療システムです。
構造的な違いを理解することで、「自分にはどの方法が合うのか」をより正確に判断できるようになります。

4. 手術当日に仮歯が入る?即日治療のメリット

・「即時荷重インプラント」とは?

オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)が注目を集める理由のひとつが、手術当日に仮歯を装着できるという即日性です。
この仕組みは「即時荷重(そくじかじゅう)インプラント」と呼ばれ、従来のように「埋め込んでから3〜6ヶ月待つ」必要がありません。
手術当日に仮歯を装着するため、見た目も噛む機能もすぐに回復でき、その日から会話や軽い食事が可能になります。
これは、インプラント体を適切な角度と深さで埋め込むことで、初期固定(骨との結合前に得られる安定性)を高める高度な技術により実現しています。
さらに、3Dシミュレーションやサージカルガイドを活用することで、神経や上顎洞を避けながら安全にインプラントを配置できるため、短時間で精度の高い手術が可能です。
従来のように「仮歯が入るまで数ヶ月待つ」ストレスを感じることなく、即日で生活機能を取り戻せることが、オールオンシリーズの最大の特徴といえます。

・見た目と機能を同時に取り戻すメリット

オールオンフォーの仮歯は、単なる「仮の歯」ではなく、患者様一人ひとりの歯並び・顔立ち・発音などを考慮して設計されます。
そのため、手術当日から見た目が自然で、笑顔に自信を持てる方も少なくありません。
また、固定式の仮歯のため、入れ歯のようにズレたり外れたりすることがなく、違和感が少ない快適な使用感を得られます。
さらに、手術当日に噛む刺激を与えることで、顎の骨が生理的に刺激され、骨の吸収を防ぐ効果も期待できます。
このように、オールオンフォーの即時荷重は単に「早く仮歯が入る」だけではなく、機能面・審美面・生理的な安定を同時に実現する点に大きな価値があります。
また、見た目が整うことで心理的な安心感も生まれ、「手術を受けてよかった」と感じる患者様が多いのも特徴です。

・生活への影響を最小限に抑える

従来のインプラント治療では、治療期間中に仮の入れ歯を装着する必要があり、「話しにくい」「食べづらい」といったストレスを抱えることが多くありました。
しかし、オールオンフォーやオールオンシックスでは、手術翌日から仕事や日常生活に復帰できるケースも多く、生活への影響を最小限に抑えられます。
もちろん、手術後すぐは柔らかい食事を中心としますが、通常は数日〜1週間ほどで普段の生活に戻れる方がほとんどです。
また、仮歯装着後も数回の調整を行い、噛み合わせや発音を整えながら、数ヶ月後に最終的な上部構造(本歯)を装着します。
この工程により、最終補綴の精度がさらに高まり、より自然で長持ちする仕上がりになります。

「歯を失ったその日に噛める」というのは、従来では考えられなかったことです。
オールオンフォーは、審美性・機能性・スピードのすべてを兼ね備えた革新的な治療法として、患者様の生活の質(QOL)を大きく向上させることを目的としています。
手術当日に笑顔と噛む力を取り戻したい方にとって、まさに理想的な選択肢といえるでしょう。

5. 治療期間・費用・通院回数の比較

・オールオンフォーは短期間で完結できる治療

オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)は、従来のインプラント治療に比べて治療期間が大幅に短縮できるのが特徴です。
通常のインプラントでは、歯を失った箇所ごとに1本ずつ埋め込み、骨としっかり結合するまで数ヶ月待機する必要があります。
その後、上部構造(人工歯)を装着するまでに半年〜1年以上かかることも珍しくありません。
一方、オールオンフォーでは、1回の手術で4〜6本のインプラントを同時に埋め込み、手術当日に仮歯を固定することができます。
この即時性により、治療全体の期間はおよそ3〜6ヶ月程度に短縮されます。
つまり、従来のインプラントが「1本ずつ積み重ねる治療」なのに対し、オールオンフォーは「1回の手術で全体を再建する治療」といえるでしょう。
CT撮影や精密検査を経て治療計画が立てられるため、治療の効率と安全性を両立できるのも大きな利点です。

・費用の違いとコストパフォーマンス

費用面では、オールオンフォーやオールオンシックスは自由診療となるため、一般的に片顎あたり300万円前後が目安です。
松本デンタルオフィスでは、All-on-4が約313万5,000円(税込)/All-on-6が約379万5,000円(税込)が標準的な費用です(麻酔費込み)。
一見高額に感じられますが、全顎に10本以上のインプラントを埋める従来法と比較すると、使用する本数が少ないためトータルコストは抑えられる傾向にあります。
さらに、治療期間や通院回数の短縮、仮歯を当日装着できる即時性を考慮すると、時間的・心理的コストも少ないことがわかります。
また、オールオンフォーでは上部構造が一体化しているため、複数本のクラウンを個別に製作する必要がなく、メンテナンスや修理も効率的です。
結果として、長期的に見ればコストパフォーマンスの高い治療法といえるでしょう。

・通院回数と生活への影響の少なさ

オールオンフォー治療の流れは、①カウンセリング・精密検査 → ②手術 → ③仮歯装着 → ④最終補綴装着 → ⑤メインテナンス、というステップで進行します。
各工程を含めても、通院回数はおおよそ5〜7回程度
これは、通常インプラントの半分以下の回数で完結することが多く、忙しい方や遠方から来院される方にとって大きなメリットです。
また、治療中に入れ歯を装着する必要がないため、食事や会話などの日常生活に支障をきたす期間が極めて短い点も特徴です。
さらに、仮歯を装着している間も見た目が自然であるため、周囲に治療中であることを気づかれにくく、社会生活を続けながら快適に過ごせます。
こうした「短期間で機能・見た目・快適さを取り戻せる」という即効性こそが、オールオンフォー・オールオンシックスが注目される理由です。

費用・期間・通院回数のいずれにおいても、オールオンフォーは従来のインプラント治療に比べて患者様の負担を大きく軽減します。
「長い治療期間を避けたい」「仕事を休めない」「短期間で噛めるようになりたい」という方にとって、効率性と満足度を両立できる治療法といえるでしょう。

6. 骨が少ない人でもできる?オールオンフォーの適応範囲

・骨が少なくても治療が可能な理由

従来のインプラント治療では、骨の量が足りないと「インプラントができない」と言われるケースが多くありました。
特に上顎の骨はもともと薄く、歯を失うと骨の吸収が進むため、十分な厚みが確保できない場合があります。
しかし、オールオンフォー(All-on-4)はこのような骨量不足の方にも対応できるように設計された治療法です。
最大の特徴は、後方のインプラントを傾斜(30〜45度)に埋め込むことで、骨のある部分を有効に活用できる点です。
この「傾斜埋入」によって上顎洞や神経を避けながら、骨造成を行わずにインプラントを固定することが可能になります。
そのため、従来なら大がかりな骨移植が必要だった患者様でも、身体的な負担を抑えながらインプラント治療を受けられるようになりました。
また、サージカルガイド(3Dシミュレーションによるテンプレート)を使用することで、骨の厚みや角度を正確に把握し、より安全で精密な手術を実現しています。

・骨造成を避けられるケースが多い

通常のインプラントでは、骨が足りない場合に「骨造成(こつぞうせい)」という手術を行い、人工骨を移植して骨の厚みを増やします。
この処置は高度な技術を要し、治癒までに数ヶ月かかるため、患者様の身体的・時間的負担が大きいのが難点です。
一方、オールオンフォーは骨造成を行わずに固定できるケースが多く、治療期間を短縮しながらリスクを減らせるのが大きなメリットです。
特に下顎では、骨の中央部(前方部分)に比較的厚みが残っていることが多く、その部分を利用して4本のインプラントを安定的に固定できます。
上顎でも、CT画像をもとに骨の形状を解析し、骨がある範囲に正確にインプラントを配置するため、追加の移植を行わずに治療を完了できることがあります。
もちろん、すべての症例で骨造成が不要というわけではありませんが、オールオンフォーの登場によって、これまで治療が難しかった方にもインプラントの可能性が広がったのは確かです。

・適応条件と注意点

オールオンフォーは多くの方に適応できますが、すべての症例に万能というわけではありません。
骨の厚みや質だけでなく、全身の健康状態、糖尿病や骨粗鬆症などの既往、喫煙習慣なども治療の成否に影響します。
そのため、治療前には必ずCTによる精密検査を行い、骨の状態を立体的に確認したうえで診断を行います。
また、歯周病が進行している場合や感染が残っている場合には、まず口腔内環境を整えてから治療を行う必要があります。
オールオンフォーは骨造成を避けられる可能性が高い治療ですが、正確な診断と経験豊富な医師の技術が欠かせません。
特に骨が極端に薄い場合や、上顎洞の形状が特殊なケースでは、オールオンシックスやザイゴマインプラント(頬骨を利用する方法)を組み合わせて対応することもあります。

「他院でインプラントは難しいと言われた」「骨が薄いから無理だと言われた」という方でも、オールオンフォーで治療可能な場合があります。
まずはCT検査を受けて、骨の状態を正確に把握することから始めましょう。
経験と実績のある歯科医院であれば、あなたに最適なプランを提案してくれるはずです。

7. 審美性・噛み心地・会話の自然さの違い

・見た目の自然さと顔全体のバランス

オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)は、単に「歯を入れる」治療ではなく、顔全体の印象を整える審美的治療としても高く評価されています。
従来の総入れ歯では、歯茎と義歯の間にすき間ができたり、装着時に口元が不自然に膨らむことがありました。
しかし、オールオンフォーではインプラントで固定されるため、歯列が安定し、自然なフェイスラインを保つことができます。
また、人工歯の素材にはセラミックやジルコニアなどを使用し、光の透過性や艶感も天然歯に近く仕上がります。
歯並び・歯の大きさ・角度は患者様の顔立ちに合わせて設計されるため、笑ったときの見た目や表情の美しさが大きく向上します。
顔のハリや口角の位置も整い、「若返った」「自然に笑えるようになった」と感じる方も多く、機能回復と同時に審美的な満足感も得られるのが特徴です。

・しっかり噛める噛み心地と安定感

入れ歯やブリッジとは異なり、オールオンフォーはインプラント体が骨に固定されているため、ズレない・外れない・動かないという安定感があります。
これにより、硬い食べ物でもしっかり噛めるようになり、「食事を楽しめるようになった」という声が多く聞かれます。
咀嚼力(噛む力)は天然歯の約80%程度まで回復するとされ、ほとんどの食材を問題なく噛むことができます。
さらに、固定式のため入れ歯のような異物感やえずきがなく、自分の歯のような自然な感覚で食事ができるのも大きな魅力です。
インプラントから骨に直接力が伝わるため、咀嚼による刺激で骨の吸収が抑えられ、長期的に顎の形を保ちやすいというメリットもあります。
毎日の食事における「噛む・味わう・飲み込む」という動作がスムーズになり、栄養の吸収や健康維持にも好影響を与えます。
この“噛める”という安心感が、心身の健康につながっていくのです。

・発音や会話のしやすさが格段に向上

オールオンフォーは、発音のしやすさにも大きな違いをもたらします。
入れ歯の場合、義歯床が上あごを覆うことで舌の動きが制限され、「サ行」「タ行」などの発音が不明瞭になりやすい傾向があります。
一方、オールオンフォーは口腔内に余計な義歯床が存在しないため、舌の可動域が広く、自然な発音・滑らかな会話が可能になります。
特に人前で話す機会の多い方や、声を使うお仕事をされている方にとって、この改善は大きな利点です。
また、仮歯の段階から発音や舌の動きを確認しながら調整を行うため、仕上がりの精度が高く、違和感の少ない仕上がりになります。
発音がクリアになり、表情も自然になることで、コミュニケーションへの自信が戻る方も少なくありません。

オールオンフォーやオールオンシックスは、「見た目・噛み心地・会話のしやすさ」を三位一体で改善できる治療法です。
単に噛むための治療ではなく、「自然に笑って話せる」「美しく食べられる」ことを目指す方にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。

8. オールオンフォー/シックスに向いている人とは?

・総入れ歯に抵抗がある方・入れ歯が合わない方

オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)は、「入れ歯の不快感から解放されたい」という方に最適な治療法です。
総入れ歯では、「ズレる」「外れる」「しゃべりにくい」「硬いものが噛めない」といった悩みを抱える方が多く見られます。
オールオンフォーは、インプラントによって義歯が完全に固定されるため、食事中に外れる心配がありません。
また、上あごを覆う部分がないため異物感が少なく、発音もしやすくなります。
見た目も自然で、笑ったときに金属のバネが見えることもありません。
「総入れ歯にしたくない」「自然な見た目で食事や会話を楽しみたい」という方にとって、オールオンフォー/シックスは非常に魅力的な選択肢です。
実際に、入れ歯の煩わしさからインプラントへの切り替えを希望される患者様が年々増えています。

・歯をほとんど失っている、または抜歯が必要な方

オールオンフォーは、残っている歯がほとんどない方や、重度のむし歯・歯周病で多くの歯を抜く必要がある方にも適しています。
一般的なインプラントでは、歯を失うたびに1本ずつ埋め込む必要がありますが、オールオンフォーは上下それぞれ4〜6本のインプラントで12本分の人工歯を支えるため、短期間で全体を再建できます。
また、抜歯と同時にインプラント埋入を行い、手術当日に仮歯を装着する「抜歯即時埋入」にも対応可能なため、歯がない期間を最小限に抑えられます。
これにより、食事や会話への支障が少なく、社会生活への影響も最小限に抑えられます。
「ほとんど歯が残っていない」「すぐにでも噛めるようになりたい」という方にこそ、オールオンフォーは大きなメリットをもたらす治療です。

・骨が少ない・他院でインプラントを断られた方

もうひとつの特徴は、骨の少ない方でも治療の可能性があるという点です。
通常のインプラントでは、骨の厚みや高さが不足していると「骨造成」が必要になりますが、オールオンフォーでは後方のインプラントを斜めに埋め込むことで、骨のある部分を有効に利用できます。
この技術により、多くの症例で骨移植を行わずに治療が可能となり、身体的負担や治療期間を大幅に軽減できます。
また、松本デンタルオフィスのようにCT撮影やサージカルガイドを使用して精密に計画する医院では、安全に傾斜埋入が可能です。
さらに、骨の状態に応じてオールオンシックス(6本支台)や、必要に応じてザイゴマインプラント(頬骨利用)を組み合わせることで、ほとんどの症例に対応できます。
「骨が薄いからインプラントは無理」と言われた方でも、専門的な診査を受けることで新しい選択肢が見つかる可能性があります。

このように、オールオンフォー/オールオンシックスは、入れ歯が合わない方・歯をほとんど失った方・骨が少ない方にとって理想的な治療法です。
見た目・噛む力・会話の自然さを同時に取り戻したい方は、まず専門の歯科医院で口腔内の状態を確認し、最適なプランを相談してみましょう。

9. 治療後のメンテナンスと寿命の違い

・インプラントの寿命を左右する「メンテナンスの質」

オールオンフォー(All-on-4)やオールオンシックス(All-on-6)は、長期間にわたり快適に使用できるインプラント治療ですが、治療後のメンテナンスを怠ると寿命が短くなってしまうことがあります。
インプラント自体はチタン製で非常に耐久性が高く、理論上は10年以上の使用が可能とされていますが、周囲の歯ぐきや骨の状態が悪化すると支えを失う可能性があります。
特に注意すべきなのがインプラント周囲炎です。これは、歯周病と同じように歯垢や細菌によって炎症が起こり、歯ぐきや骨が少しずつ溶けていく病気です。
オールオンフォーは構造上、一体型の補綴物で複数のインプラントを支えるため、ひとつの部位の炎症が全体に影響するリスクがあります。
そのため、定期的に歯科医院でのクリーニングや噛み合わせ調整を受け、常に清潔で安定した状態を維持することが非常に重要です。
正しいメンテナンスを継続すれば、10年、20年と長く使い続けることも十分可能です。

・セルフケアと定期検診の両立が大切

オールオンフォーは固定式のため、見た目や使用感は天然歯に近いものの、ブラッシング方法には工夫が必要です。
歯と人工歯茎の間のすき間には汚れがたまりやすいため、専用のデンタルフロスやインターデンタルブラシを使って毎日のお手入れを丁寧に行いましょう。
また、歯ブラシの毛先を歯ぐきの境目に沿わせて動かす「バス法」など、歯科衛生士から指導を受けて自分に合った清掃法を身につけることも大切です。
さらに、3〜6ヶ月ごとの定期検診では、噛み合わせの確認・補綴部の清掃・歯ぐきの状態チェックを行い、必要に応じて超音波洗浄などのプロケアを実施します。
これにより、家庭でのケアでは落としきれない汚れを除去し、インプラント周囲炎を予防できます。
セルフケアとプロフェッショナルケアを両立させることが、インプラントの寿命を最大限に延ばす鍵となります。
「治療が終わってからがスタート」という意識を持ち、継続的なメンテナンスを習慣化することが何より大切です。

・噛み合わせ調整と生活習慣の見直しで長持ち

オールオンフォーのような全顎インプラント治療では、噛み合わせのバランスも寿命を左右します。
左右のどちらか一方に過度な力がかかると、インプラントや補綴物に負担が集中し、ネジの緩みや破損につながることがあります。
そのため、治療後の定期検診では咬合力をチェックし、必要に応じて微調整を行います。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝時にナイトガード(マウスピース)を使用することでインプラントへの負担を軽減できます。
生活習慣の中では、喫煙も大きなリスク要因です。ニコチンは血流を悪化させ、歯ぐきの治癒や骨の結合を妨げるため、喫煙者は非喫煙者に比べてインプラントの脱落リスクが高くなります。
できる限り禁煙または減煙を心がけ、バランスの取れた食生活を意識することで、口腔内の健康を長く保つことができます。

このように、オールオンフォーやオールオンシックスの寿命は、手術技術だけでなくメンテナンスの習慣・噛み合わせ管理・生活習慣に大きく左右されます。
定期的なケアと適切なセルフケアを続けることで、見た目も機能も長期間にわたって維持できるのです。
「治療して終わり」ではなく、「守って育てるインプラント」という意識を持つことが、健康で快適な毎日を送るための第一歩です。

10. 自分に合ったインプラントを選ぶために

・オールオンフォー/シックスと通常のインプラント、どちらが適している?

インプラント治療には、1本ずつ埋め込む「通常型インプラント」と、4〜6本で全体を支える「オールオンフォー(All-on-4)」「オールオンシックス(All-on-6)」があります。
どちらが良いかは、歯を失った本数・骨の状態・全身の健康状態・希望する見た目などによって異なります。
たとえば、数本の歯を失った場合には通常のインプラントが適していますが、ほとんどの歯を失った方、または総入れ歯にしたくない方にはオールオンフォーやシックスが最適です。
また、骨の量が少ない場合でも、オールオンフォーなら傾斜埋入により骨造成を避けられるケースも多く、身体への負担を軽減できます。
一方、1本ずつの独立性を重視したい方や、部分的な欠損のみの場合は従来型インプラントが有利です。
このように、それぞれの治療法には特徴があり、「どちらが優れているか」ではなく、「自分に合っているか」で選ぶことが重要です。

・信頼できる歯科医院での精密な診断がカギ

インプラント治療は、歯科医院によって治療方針・技術・設備が大きく異なります。
特にオールオンフォーやオールオンシックスのような全顎治療は、骨の角度や神経位置を正確に把握する必要があるため、CT撮影や3Dシミュレーションが欠かせません。
松本デンタルオフィスでは、デジタルプランニングとナビゲーションシステムを組み合わせたガイデッドサージェリーを採用し、リスクを最小限に抑えた安全な手術を実現しています。
また、経験豊富なインプラント専門医が診断から手術、補綴、メンテナンスまで一貫して行うため、患者様の負担を減らし、長期的な安定を目指せます。
初回のカウンセリングでは、不安や疑問を丁寧に聞き取り、複数の治療プランを比較検討できることも大切です。
治療を進める前に、「なぜこの方法が自分に合うのか」をしっかり理解しておくことで、後悔のない選択につながります。

・納得して治療を始めるために知っておきたいこと

インプラント治療は外科的処置を伴うため、「手術が怖い」「痛みが不安」という声も少なくありません。
しかし、静脈内鎮静法や笑気麻酔などを併用すれば、眠っている間に治療を受けることも可能です。
松本デンタルオフィスでも、患者様の体調や不安に合わせた麻酔方法を提案し、できるだけリラックスして手術を受けていただける体制を整えています。
また、治療後の保証制度(最長10年)や定期メンテナンス体制が整っているかどうかも、医院選びの大切なポイントです。
オールオンフォーやオールオンシックスは、噛む力や見た目だけでなく、生活の質(QOL)を向上させる治療です。
治療を検討する際は、「自分がどのように噛みたいか」「どんな笑顔を取り戻したいか」という理想像を医師と共有することが大切です。
そして、費用や期間、術後のサポートまで含めて納得できる歯科医院を選びましょう。

オールオンフォー・オールオンシックス・通常のインプラント――それぞれに異なる魅力があります。
どの治療を選ぶかは、あなたの将来の笑顔や健康に大きく関わる決断です。
焦らず、専門医とともにじっくり相談しながら、「自分に最も合ったインプラント治療」を見つけていきましょう。

『 東京審美インプラント治療ガイド:監修 松本デンタルオフィス東京 』
監修:松本デンタルオフィス東京
所在地:東京都東大和市清原4丁目10−27 M‐ONEビル 2F

電話:042-569-8127

 

 *監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス
院長 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
*所属学会

日本補綴歯科学会
日本口腔インプラント学会
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
*スタディグループ
5-D Japan
Esthetic Explores

詳しいプロフィールはこちらより

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