こんにちは。松本デンタルオフィス東京です。
インプラント治療を提案されたあと、ふと頭に浮かぶのが「怖い」という感情——そんな瞬間はありませんか。
治療の必要性は理解している。
けれど、「手術」という言葉を聞いた瞬間に、不安が一気に大きくなる。
本当に大丈夫なのだろうか。
痛みはどのくらいあるのか。
将来、後悔することはないだろうか。
こうした気持ちは、決して特別なものではありません。
むしろ、ご自身の体や将来を真剣に考えているからこそ生まれる自然な反応です。
そして実は——
「怖い」と感じている方ほど、時間をかけて多くの情報を集めようとする傾向があります。
安心したいから調べる。
けれど調べるほど、別の不安が見つかる。
気づけば、何が正しいのか分からなくなってしまう。
なぜ、そのような状態に陥ってしまうのでしょうか。
このコラムでは、
インプラントが「怖い治療」に感じられる背景と、
怖さが強い人ほど“調べすぎてしまう”心理の構造について整理していきます。
不安をなくすことが目的ではありません。
不安を正しく理解し、冷静に向き合うことが、納得できる判断につながります。
まずは、その「怖い」という気持ちの正体から、一緒に考えていきましょう。
1.インプラントが「怖い治療」に感じてしまう瞬間
インプラント治療について説明を受けたとき、「怖い」という感情が先に立ってしまう方は少なくありません。治療の必要性を理解していても、その言葉を聞いた瞬間に不安が大きくなる――それは決して特別なことではなく、ごく自然な反応です。
ここでは、なぜインプラントが「怖い治療」と感じられやすいのか、その背景を整理してみましょう。
手術という言葉に反応してしまう心理
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋入する外科的処置を行います。そのため説明の中で「手術」という言葉が使われます。
「手術」と聞くと、
・強い痛みがあるのではないか
・大がかりな処置なのではないか
・体への負担が大きいのではないか
といったイメージが先行し、不安が一気に高まることがあります。
実際には、多くの場合が局所麻酔下で行われ、入院を伴わないケースが一般的です。ただし、体の状態や治療内容によって異なるため、事前の検査と診断が重要になります。
それでも「手術」という言葉の持つ印象が、恐怖心を強く刺激してしまうのです。
失敗例やトラブル情報が強く印象に残る理由
インターネットで情報を調べると、成功例だけでなく、トラブルや再治療に関する体験談も目に入ります。
人は本能的に、ネガティブな情報のほうを強く記憶する傾向があります。これは危険を回避するための心理的な働きです。そのため、実際の発生頻度とは関係なく、「自分も同じことになるかもしれない」と感じやすくなります。
医療には一定のリスクが伴いますが、その程度や可能性は、口腔内の状態や全身の健康状態によって異なります。断片的な情報だけで判断すると、不安が必要以上に大きくなることがあります。
将来への不安が膨らみやすい背景
インプラントは、長期的な使用を前提とした治療です。そのため、
・何年もつのか
・年齢を重ねても管理できるのか
・将来トラブルが起きた場合どうなるのか
といった「先の見えない不安」が生じやすくなります。
特に、歯を失ったこと自体が大きな出来事である場合、「これ以上悪くしたくない」という思いが強くなり、不安が増幅しやすくなります。
将来への心配を抱くこと自体は自然なことです。大切なのは、その不安を曖昧なまま膨らませるのではなく、現在の状態を正確に把握し、医学的な視点で整理していくことです。
インプラントが「怖い治療」に感じられる背景には、「手術」という言葉の印象、ネガティブな情報の記憶、そして将来への漠然とした不安があります。
「怖い」と感じることは決して弱さではありません。それは、ご自身の将来を真剣に考えているからこそ生まれる感情です。まずは不安の正体を一つずつ整理することが、冷静な判断への第一歩となります。
2.怖さが強い人ほど「調べすぎてしまう」理由
インプラント治療に対して強い不安を感じている方ほど、時間をかけて多くの情報を集めようとする傾向があります。慎重になること自体は大切ですが、情報収集がかえって不安を増幅させてしまうケースも少なくありません。
不安を消すために情報を集め続けてしまう
「知らないこと」は不安を大きくします。そのため、不安を和らげるために情報を集めようとするのは自然な行動です。
・痛みはどの程度なのか
・成功率はどれくらいなのか
・どんなトラブルが起こり得るのか
こうした疑問に答えを求めて調べ続けるうちに、次々と新しい不安材料が見つかり、さらに検索を重ねてしまう――いわば“情報のループ”に入ってしまうことがあります。
本来は安心するための行動が、かえって心配を増やしてしまうことがあるのです。
ネガティブな情報に目が向きやすい傾向
人は本能的に、良い情報よりも悪い情報に強く反応する傾向があります。これは危険を回避するための自然な心理作用です。
そのため、「うまくいかなかった例」や「後悔した体験談」といった情報が強く印象に残りやすくなります。実際には多くの症例が問題なく経過していたとしても、目に入るのはトラブルに関する話題ばかり、という状況が生まれやすいのです。
医療には一定のリスクが伴いますが、その内容や可能性は個々の診断によって異なります。一般論や匿名の体験談だけで判断することは、適切とは言えません。
完璧な答えを探してしまう心理構造
「絶対に失敗しない方法があるはず」「100%安全だと確認できるまで決められない」――そうした思いから、完璧な答えを探し続けてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、医療において“完全にリスクがゼロ”という選択肢は存在しません。重要なのは、リスクの有無ではなく、その内容を理解し、ご自身の状態と照らし合わせて納得できるかどうかです。
完璧な正解を求め続けるほど、判断は先延ばしになり、不安だけが残ってしまうことがあります。
怖さが強い方ほど、安心を求めて多くの情報を集めようとします。しかし、情報が増えるほど不安が大きくなる場合もあります。
大切なのは、インターネット上の断片的な情報ではなく、ご自身の口腔内の状態に基づいた説明を受けることです。不安を抱えること自体は自然なことですが、その不安を整理するには、個別の診断と対話が欠かせません。
3.インプラント治療の基本を冷静に整理する
インプラント治療に対して不安を感じるときは、断片的な情報ではなく、まずは基本的な流れを整理することが大切です。治療の全体像を知ることで、漠然とした怖さが少しずつ具体的な理解へと変わっていきます。
どのような流れで治療が進むのか
一般的に、インプラント治療は次のような段階を経て進みます。
まず、レントゲンやCTなどの検査を行い、骨の量や質、全身状態を含めた総合的な診断を行います。そのうえで、治療計画を立案し、患者様に十分な説明を行います。
次に、局所麻酔下でインプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋入する処置を行います。処置時間や方法は症例によって異なりますが、多くは日帰りで対応されます。
その後、骨とインプラント体が結合するまで一定期間待ち、安定を確認したうえで、上部構造(人工の歯)を装着します。治療完了後は、長期的な安定を維持するために定期的なメンテナンスが必要になります。
治療期間や方法は個々の状態によって異なるため、事前の診断と説明が重要な役割を果たします。
痛みや腫れに対する一般的な考え方
「どのくらい痛いのか」という点は、多くの方が気にされる部分です。手術中は局所麻酔を行うため、強い痛みを感じることは一般的には少ないとされています。
術後には、数日間の違和感や腫れ、軽度の痛みが生じることがありますが、その程度や期間は個人差があります。必要に応じて鎮痛薬や抗生剤が処方され、経過を確認しながら管理していきます。
ただし、痛みの感じ方や回復のスピードは、体質や全身状態、処置内容によって異なります。あらかじめ一般的な経過を理解しておくことが、不安の軽減につながります。
他の治療法との位置づけ
歯を失った場合の治療法は、インプラントだけではありません。ブリッジや入れ歯といった選択肢もあります。それぞれにメリットと注意点があり、適応も異なります。
インプラントは、周囲の歯を大きく削らずに単独で機能させられるという特徴がありますが、外科処置が必要である点や費用面の負担も考慮する必要があります。一方、ブリッジや入れ歯は外科処置を伴わない場合が多い反面、周囲の歯への影響や装着感に課題が生じることもあります。
どの方法が適しているかは、口腔内の状態や生活背景によって異なります。インプラントは数ある選択肢の一つであり、絶対的な正解というわけではありません。
インプラント治療を冷静に理解するためには、治療の流れ、術後の一般的な経過、そして他の治療法との違いを整理することが重要です。
不安は情報不足から生まれることもあれば、情報の偏りから強まることもあります。まずは基本を正しく知り、ご自身の状態に照らし合わせた説明を受けることが、納得できる判断につながります。
4.「怖い」と感じるポイントを分解してみる
インプラント治療に対して「怖い」と感じるとき、その不安は一つの理由だけで生まれているわけではありません。
漠然とした不安の中には、いくつかの具体的な心配が重なっていることが多いものです。まずはその内容を整理することが、不安を落ち着かせる第一歩になります。
手術そのものへの恐怖
インプラント治療では外科処置を行うため、「手術」という言葉に強い抵抗を感じる患者様は少なくありません。
よく挙げられる不安としては、
・強い痛みがあるのではないか
・出血が多いのではないか
・体への負担が大きいのではないか
といったイメージがあります。
実際には、多くの症例で局所麻酔を使用し、日帰りで処置が行われます。ただし、骨の状態や全身疾患の有無によって治療内容は異なります。そのため、事前の検査と診断を十分に行い、安全性を確認したうえで治療計画を立てることが重要です。
「何をされるのか分からない」という不透明さが、恐怖を大きくしていることもあります。処置の流れや術後の経過について具体的な説明を受けることで、心理的な負担が軽減されることがあります。
費用や期間への不安
インプラント治療は自費診療で行われることが一般的です。そのため、経済的な負担に対する不安を感じる患者様も多くいらっしゃいます。
・最終的な総額はいくらになるのか
・追加費用が発生する可能性はあるのか
・治療期間はどのくらいかかるのか
・通院回数はどの程度か
といった点は、現実的な検討材料になります。
費用や期間は症例ごとに異なり、骨の状態や治療本数、追加処置の有無によっても変わります。一般的な情報だけで判断するのではなく、個別の診断に基づいた説明を受けることが大切です。見通しが具体的になることで、不安は整理しやすくなります。
長期的なトラブルへの心配
インプラントは長期的な使用を前提とした治療です。そのため、「将来も問題なく使い続けられるのか」という不安を抱くのは自然なことです。
・何年もつのか
・年齢を重ねても維持できるのか
・もしトラブルが起きたらどうなるのか
といった疑問が生じます。
インプラントは適切なメンテナンスを継続することで安定が期待されますが、医療である以上、一定のリスクは存在します。定期的な検診や日常のセルフケアが重要であり、その継続が長期的な安定につながります。
将来への不安は、「これ以上悪くしたくない」「安心して生活したい」という思いの表れでもあります。
「怖い」という感情の中には、手術への恐怖、費用や期間への不安、そして長期的な心配といった複数の要素が含まれています。
大切なのは、その不安を漠然としたままにしないことです。何が一番心配なのかを整理し、具体的な疑問として相談することで、納得できる判断に近づくことができます。不安を抱えたままでも構いません。まずは正確な情報に基づいて、冷静に考える時間を持つことが重要です。
5.リスクと可能性をバランスよく理解する
インプラント治療について考えるとき、「リスクがあるのではないか」という点に意識が向くのは自然なことです。医療である以上、一定のリスクが存在することは事実です。しかし同時に、適切な診断と管理のもとで得られる可能性やメリットもあります。大切なのは、どちらか一方に偏るのではなく、バランスよく理解することです。
医療におけるリスクの考え方
医療において「リスクがある」という言葉は、「必ず問題が起きる」という意味ではありません。
それは、一定の確率で起こり得る可能性がある、ということを示しています。
インプラント治療においても、
・術後の腫れや痛み
・感染の可能性
・骨と結合しないケース
などが挙げられますが、その頻度や程度は個々の状態によって異なります。
重要なのは、リスクの存在を隠すのではなく、事前に説明を受け、理解したうえで検討することです。過度に恐れるのではなく、正確に知ることが冷静な判断につながります。
検査や診断が果たす役割
リスクをできる限り低減するために欠かせないのが、事前の検査と診断です。
レントゲンやCTによる骨の評価、歯周病の有無、かみ合わせの状態、全身疾患や服用薬の確認など、複数の視点から総合的に判断します。
これらの情報をもとに、
・インプラントが適しているか
・追加処置が必要か
・他の治療法が望ましいか
を検討します。
検査や診断は、単に治療を進めるための手順ではなく、「適応を見極めるための重要な工程」です。ここを丁寧に行うことが、安全性の確保につながります。
治療後のメンテナンスの重要性
インプラントは、治療が終わったらそれで完了というものではありません。長期的な安定のためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラント周囲炎と呼ばれる炎症は、適切なケアが行われない場合に起こることがあります。そのため、
・定期検診の継続
・専門的なクリーニング
・日常のセルフケア
が重要になります。
治療後の管理体制が整っているかどうかは、長期的な結果に大きく影響します。リスクを理解すると同時に、予防や管理によって安定を維持できる可能性があることも知っておくことが大切です。
インプラント治療を検討する際は、リスクだけに目を向けるのでも、可能性だけを見るのでもなく、その両方をバランスよく理解することが重要です。
適切な検査と診断、そして治療後の継続的なメンテナンスによって、リスクを抑えながら安定を目指すことができます。不安がある場合こそ、正確な情報に基づいた説明を受け、ご自身の状況に照らして判断していく姿勢が大切です。
6.不安を軽減するためにできる準備
インプラント治療に対して不安を感じることは、決して特別なことではありません。むしろ、ご自身の将来や健康を大切に考えているからこそ生まれる感情です。
その不安を無理に抑え込むのではなく、少しずつ整理していくことが大切です。
現在の口腔内の状態を正確に知る
漠然とした怖さの多くは、「自分の状態がよく分からない」という不透明さから生まれます。
まずは、
・歯や歯ぐきの状態
・骨の量や質
・歯周病の有無
・かみ合わせの状況
などを検査によって確認することが重要です。
レントゲンやCTなどの画像診断を通して客観的な情報を得ることで、「何が問題で、どのような選択肢があるのか」が見えてきます。
自分の状態を正しく知ることは、不安を具体的な理解へと変える第一歩です。
不安を具体的な質問に変える
「なんとなく怖い」という気持ちを、そのままにしておくと不安は大きくなりやすいものです。
そこで大切なのは、不安を具体的な質問に変えることです。例えば、
・痛みはどの程度なのか
・治療期間はどのくらいか
・自分の場合のリスクは何か
・他の治療法との違いは何か
といった形に整理してみると、医師からの説明も受けやすくなります。
疑問を言葉にすることで、漠然とした怖さは少しずつ輪郭を持ち、冷静に向き合えるようになります。遠慮せず質問できる環境かどうかも、安心につながる大切な要素です。
すぐに決断しなくてもよいという前提
治療を提案されたとき、「早く決めなければならないのでは」と焦ってしまう方もいらっしゃいます。しかし、多くの場合、十分に説明を受けたうえで検討する時間を持つことができます。
医療において大切なのは、患者様が納得したうえで選択することです。
必要に応じて家族と相談したり、セカンドオピニオンを検討したりすることも選択肢の一つです。
「今すぐ決めなくてもよい」と考えるだけでも、心理的な負担は軽くなります。焦りが和らぐことで、より冷静な判断が可能になります。
不安を軽減するためには、まず現在の口腔内の状態を正確に知ること、そして漠然とした怖さを具体的な質問に変えることが重要です。
さらに、すぐに決断しなくてもよいという前提を持つことで、心に余裕が生まれます。不安を抱えたままでも構いません。正確な情報と対話を重ねることが、納得できる選択へとつながります。
7.医院選びで安心につながる視点
インプラント治療に不安があるとき、安心できるかどうかは「治療内容」だけで決まるものではありません。むしろ、どの医院で、どのような説明とサポートを受けられるかが、納得感に大きく影響します。
メリットと注意点を丁寧に説明してくれるか
インプラントには、しっかり噛めることや見た目の自然さなど、期待できる点があります。一方で、外科処置が必要であること、治療後も管理が欠かせないことなど、注意点もあります。
安心につながるのは、良い面だけを強調するのではなく、次のような点まで具体的に説明してくれる医院です。
・治療の流れ(検査〜手術〜上部構造〜メンテナンス)
・患者様の状態に応じて想定されるリスクや注意点
・必要に応じて追加処置が発生する可能性
・インプラント以外の選択肢(ブリッジ、入れ歯など)との比較
医療広告の観点でも、「必ずうまくいく」「絶対に安全」といった断定的な表現は適切ではありません。だからこそ、メリットと注意点をバランスよく説明し、患者様が判断できる材料を丁寧に提示してくれるかは重要なポイントになります。
質問に時間をかけてくれるか
不安が強いときほど、説明を聞いてもすぐには理解しきれないことがあります。そんなときに、質問をしやすい雰囲気があるか、疑問に対して時間をかけて答えてくれるかは、医院選びの大切な基準になります。
例えば、
・専門用語をかみ砕いて説明してくれる
・患者様の生活背景(仕事、通院頻度、持病など)も踏まえて話してくれる
・「不安な点はありませんか」と確認しながら進めてくれる
・一度の説明で終わらず、必要に応じて繰り返し説明してくれる
こうした対応があると、「置いていかれている感じ」が減り、安心して検討しやすくなります。治療の選択は患者様側にあり、納得できないまま進めないことが何より重要です。
長期的なフォロー体制があるか
インプラントは、治療が終わったら完了ではありません。長期的に安定して使い続けるためには、定期検診やクリーニングなどのメンテナンスが欠かせません。
そのため、医院を選ぶ際は、次のような点も確認しておくと安心です。
・治療後の定期検診の頻度や内容が明確か
・トラブルが起きた場合の対応方針が説明されているか
・担当医や衛生士が継続してフォローしてくれる体制があるか
・生活の変化(転居、通院間隔の調整など)にも相談できるか
長期的なフォローがある医院ほど、「治療を受けたあとが不安」という気持ちが軽くなります。インプラントは“入れて終わり”ではないからこそ、その後まで見据えたサポート体制が安心につながります。
医院選びで安心につながるのは、治療の技術面だけではなく、説明の丁寧さと対話のしやすさ、そして長期的なフォロー体制が整っているかどうかです。
メリットだけでなく注意点も含めて誠実に説明してくれること、患者様の疑問に時間をかけて向き合ってくれること、治療後も継続して支えてくれること。こうした要素が揃うほど、不安を抱えたままでも一歩を踏み出しやすくなります。
8.インプラントが怖い人のよくある疑問
インプラント治療に対して強い不安を感じている患者様からは、共通するご質問がいくつかあります。ここでは、よくある疑問について一般的な考え方を整理します。なお、実際の適応や経過は個々の状態によって異なるため、最終的には診査・診断に基づいた判断が必要です。
Q.痛みはどの程度なのか
A.最も多いご質問が「どのくらい痛いのか」という点です。
手術中は局所麻酔を行うため、強い痛みを感じることは一般的には少ないとされています。ただし、麻酔の効き方や緊張の度合いには個人差があります。
術後は、
・軽度の腫れ
・違和感
・数日間の鈍い痛み
が出ることがありますが、多くの場合は処方される鎮痛薬でコントロール可能な範囲とされています。ただし、処置内容や体質によって経過は異なるため、事前に想定される経過を説明してもらうことが安心につながります。
「痛みがゼロ」と断言することはできませんが、過度に恐れる前に、具体的な説明を受けることが大切です。
Q.年齢や持病があっても可能か
A.「年齢が高いと難しいのでは」「持病があると受けられないのでは」と心配される患者様もいらっしゃいます。
年齢そのものが絶対的な制限になるわけではありません。重要なのは、
・全身の健康状態
・糖尿病や骨粗しょう症などの管理状況
・服用している薬の内容
・顎の骨の状態
などを総合的に評価することです。
場合によっては、内科主治医との連携が必要になることもあります。すべての方が適応になるわけではありませんが、まずは検査を行い、医学的に可能かどうかを判断することが重要です。
Q.怖さが強い場合の相談方法はあるのか
A.「怖くて説明を聞くだけでも緊張してしまう」という方も少なくありません。その場合、いきなり治療を前提にするのではなく、まずは相談だけを目的とした受診も選択肢の一つです。
・検査だけ受けてみる
・治療計画を聞いたうえで持ち帰って検討する
・家族と相談する時間を設ける
・セカンドオピニオンを活用する
こうした方法も可能です。
医院によっては、カウンセリングの時間を設け、疑問や不安を整理するサポートを行っている場合もあります。不安を抱えたまま無理に決断する必要はありません。
インプラントが怖いと感じる患者様からは、「痛み」「年齢や持病」「強い不安への対処法」といった疑問が多く寄せられます。
大切なのは、一般的な情報だけで判断するのではなく、ご自身の状態に基づいた説明を受けることです。不安を抱えていること自体は自然なことです。まずは相談から始めるという選択肢もあることを知っておくことで、心の負担は少し軽くなるかもしれません。
9.「怖いからやめる」以外の選択肢を知る
インプラント治療に対して強い不安を感じたとき、「怖いからやめておこう」と結論づけたくなることもあるかもしれません。しかし、治療の選択肢は「受ける」か「完全にやめる」かの二択だけではありません。状況に応じて、いくつかの考え方があります。
経過観察という考え方
すぐに治療を始めるのではなく、一定期間、口腔内の状態を観察しながら様子を見るという選択肢もあります。
例えば、
・痛みや炎症が強くない場合
・噛み合わせへの影響が限定的な場合
・生活環境の変化で今すぐの治療が難しい場合
などには、定期的な検診を行いながら状態を確認する方法が検討されることもあります。
ただし、放置とは異なります。定期的なチェックを行い、悪化の兆候があれば適切な対応を検討することが前提です。
経過観察が可能かどうかは、歯の欠損部位や周囲の歯の状態によって異なりますので、診断に基づいた判断が必要です。
他の治療法との比較
歯を失った場合の治療法は、インプラントだけではありません。
・ブリッジ
・部分入れ歯や総入れ歯
といった方法もあります。それぞれにメリットと注意点があり、適応も異なります。
インプラントは周囲の歯を大きく削らずに単独で機能させられる特徴がありますが、外科処置が必要であり、費用も自費診療となることが一般的です。一方、ブリッジは隣の歯を削る必要がある場合がありますし、入れ歯は取り外し式であることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
どの方法が適しているかは、口腔内の状態や生活スタイル、価値観によって異なります。選択肢を比較したうえで検討することが重要です。
セカンドオピニオンの活用
治療方針に迷いがある場合や、不安が強い場合には、セカンドオピニオンを活用する方法もあります。
別の歯科医師の意見を聞くことで、
・診断内容の確認
・他の治療選択肢の提示
・説明内容への理解の深まり
といった効果が期待できます。
セカンドオピニオンを求めることは、決して失礼なことではありません。ご自身が納得できる判断をするための手段の一つです。
インプラントが怖いと感じたとき、「やめる」という選択だけでなく、経過観察や他の治療法の比較、セカンドオピニオンといった方法もあります。
大切なのは、焦って結論を出すことではなく、現在の状態を正確に把握し、複数の選択肢を知ったうえで判断することです。不安を抱えたままでも構いません。納得できる形で検討を進めることが、後悔の少ない選択につながります。
10.怖さを抱えたままでも相談してよい
インプラント治療についてここまで整理してきましたが、最後にお伝えしたいのは、「怖さを感じている状態のままでも相談してよい」ということです。
不安が完全になくなってから受診する必要はありません。むしろ、不安があるからこそ、正確な情報と対話が必要になります。
不安は自然な感情であること
「手術が怖い」「失敗したらどうしよう」「将来困らないだろうか」——こうした気持ちは、ご自身の体や将来を大切に考えているからこそ生まれるものです。
医療行為に対して不安を抱くことは、ごく自然な反応です。
不安を感じること自体が問題なのではなく、その不安を抱えたまま一人で悩み続けてしまうことが、判断を難しくしてしまう場合があります。
まずは、「怖いと感じている自分」を否定しないことが大切です。
情報よりも対話が安心につながる理由
インターネット上には多くの情報があります。しかし、その多くは一般論であり、個々の口腔内の状態を前提としたものではありません。
情報を集めることは大切ですが、
・自分の場合はどうなのか
・どのリスクがどの程度関係するのか
・他の選択肢は何があるのか
といった具体的な点は、実際の診査・診断と対話を通じてしか明確になりません。
対話の中で疑問を一つずつ整理していくことで、漠然とした不安は徐々に輪郭を持ち、現実的な判断材料へと変わっていきます。安心は「情報の量」ではなく、「自分に合った説明」を受けることから生まれることが多いのです。
まずは現状を知るための相談という一歩
インプラント治療をすぐに決める必要はありません。
まずは、
・現在の口腔内の状態を確認する
・治療の選択肢を整理する
・リスクと可能性を説明してもらう
という「相談の一歩」から始めることができます。
検査や説明を受けたうえで持ち帰り、家族と相談することも可能です。必要であれば、他院での意見を聞くことも選択肢の一つです。
治療を受けるかどうかの最終的な判断は、患者様ご自身にあります。その判断を支えるための材料を得る場として、相談の機会を活用することが大切です。
インプラントが怖いと感じるのは、決して特別なことではありません。不安は自然な感情であり、それを抱えたままでも相談してよいのです。
大切なのは、一人で結論を出すことではなく、現在の状態を正しく知り、対話を通じて整理していくことです。その小さな一歩が、納得できる選択につながります。
『 東京審美インプラント治療ガイド:監修 松本デンタルオフィス東京 』
監修:松本デンタルオフィス東京
所在地:東京都東大和市清原4丁目10−27 M‐ONEビル 2F
電話:042-569-8127
*監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス
院長 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
*所属学会
・日本補綴歯科学会
・日本口腔インプラント学会
・日本歯科審美学会
・日本顎咬合学会
*スタディグループ
・5-D Japan
・Esthetic Explores
詳しいプロフィールはこちらより


























